スリンダってどんなお薬?
- 2026年9月30日
- 診療情報
スリンダってどんなお薬?
~女性ホルモン「エストロゲン」を含まない新しいタイプのピル~
「ピルを飲みたいけれど、血栓症が心配……」
「エストロゲンを含まないピルってあるの?」
「生理痛や月経量も減らしたい」
そんな方に選択肢のひとつとなるのが、**スリンダ(一般名:ドロスピレノン)**です。
スリンダは、従来の低用量ピルとは異なり、エストロゲンを含まず、黄体ホルモン(プロゲスチン)のみを含むピルです。
スリンダの特徴
一般的な低用量ピルには、黄体ホルモンに加えて「エストロゲン」が含まれています。
一方、スリンダはエストロゲンを含まない「黄体ホルモン単剤」のピルです。
そのため、エストロゲンを含むピルが適さない方でも、選択肢となる場合があります。
スリンダには主に、
- 排卵を抑える
- 子宮内膜を薄くする
- 子宮頸管粘液を変化させ、精子が子宮内に入りにくくする
といった作用があり、避妊効果が期待できます。
また、子宮内膜が薄くなることで、月経量が少なくなったり、生理痛が軽くなったりすることもあります。
どんな人におすすめ?
スリンダは、たとえば次のような方に検討されます。
- エストロゲンを含むピルが適さない方
- 血栓症のリスクを考えてエストロゲンを避けたい方(喫煙者、40歳代以上、片頭痛のある方など)
- 授乳中など、エストロゲンを含むピルを使いにくい方
- 生理痛や月経量についても相談したい方
- 毎日決まった時間に薬を飲むことができる方
ただし、すべての方にスリンダが適しているわけではありません。
持病や服用中のお薬などによっては使用できない場合がありますので、診察時にご相談ください。
飲み方は?
スリンダは基本的に1日1錠を毎日、できるだけ同じ時間に服用します。
一般的な低用量ピルと違い、休薬期間の考え方が異なるため、自己判断で飲み方を変えないことが大切です。
飲み始めの時期や、飲み忘れた場合の対応については、医師または薬剤師の指示に従ってください。
不正出血が起こることがあります
スリンダを飲み始めた頃には、少量の出血が続いたり、出血する日が不規則になったりすることがあります。
これはスリンダに限らず、ホルモン剤の使用開始時には比較的よくみられる症状です。
多くの場合、服用を続けることで落ち着いてくることがありますが、出血量が多い場合や長く続く場合、強い痛みを伴う場合などはご相談ください。
その他にみられることがある症状
人によっては、
- 頭痛
- 吐き気
- 腹痛
- 乳房の張り
- 気分の変化
- ニキビなどの肌症状
などがみられることがあります。
気になる症状がある場合は、我慢せずご相談ください。
スリンダと低用量ピルの違い
大きな違いは、エストロゲンを含んでいるかどうかです。
| スリンダ | 一般的な低用量ピル | |
|---|---|---|
| エストロゲン | 含まない | 含む |
| 黄体ホルモン | 含む | 含む |
| 避妊効果 | あり | あり |
| 不正出血 | 起こることがある | 起こることがある |
| 血栓症 | エストロゲンによる血栓症リスクはない | 血栓症リスクに注意が必要 |
※「血栓症のリスクがない」という意味ではありません。スリンダにも血栓症を含む重大な副作用が起こる可能性はあります。ご自身の体質や既往歴などを考慮して、適切なお薬を選ぶことが大切です。
「ピル=必ず生理がなくなる」わけではありません
スリンダを服用すると、出血が少なくなる方もいれば、出血が不規則になる方もいます。
「生理を減らしたい」「できれば生理をなくしたい」という目的で使用する場合も、効果の出方には個人差があります。
大切なのは、避妊だけでなく、月経痛・月経量・出血パターンなども含めて、自分に合った治療を選ぶことです。
こんな症状があれば、すぐにご相談ください
服用中に、
- 突然の強い頭痛
- 胸の痛み、息苦しさ
- 片脚の強い痛みや腫れ
- 見え方の異常
- 強い腹痛
など、普段と違う症状が急に現れた場合には、重大な副作用の可能性もあります。
服用を続けるかどうかを自己判断せず、速やかに医療機関へご相談ください。
自分に合ったピルを選びましょう
ピルにはさまざまな種類があり、「どのピルが一番いい」というものではありません。
年齢、喫煙の有無、血圧、持病、服用中のお薬、月経の状態、避妊の希望などによって、適したお薬は異なります。
「ピルを飲みたいけれど、どれがいいかわからない」という方も、ぜひご相談ください。
当院では、お一人おひとりの体調やご希望を伺いながら、スリンダを含めて適した選択肢をご提案しています。
