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子宮がん検診

子宮がん検診|渋谷・神泉|目黒区の産婦人科|IRISレディースクリニック神泉

子宮がんとは

子宮がんとは

子宮がんにはそのがんのできる部位によって”子宮頸がん”と”子宮体がん”の2種類があります。
子宮は出口の部分と奥の部分の2つに大別されます。子宮の出口の部分を子宮頸部と呼び、この部分にできる癌が子宮頸がんです。一般的には子宮がんというとこの子宮頸がんのことを指します。
子宮の奥、妊娠したら赤ちゃんを育てる部分のことを、子宮体部と呼びますが、ここにできるがんが子宮体がんです。
子宮がん

子宮頸がん

子宮頸がんとは、子宮頸部にできるがんのことです。大部分の子宮頸がんは、CIN(子宮頸部上皮内腫瘍)やAIS(上皮内腺がん)といった、がんになる前の状態(前がん状態)を経てがん化していきます。がんになる前の状態であるCINやAISの時期には症状がなく、おりものや出血、痛みもありません。子宮頸がんが進行すると、生理ではないときや性交時に出血したり、においを伴う濃い茶色や膿のようなおりもの、水っぽいおりものや粘液がたくさん出るなどの症状がみられることがあります。さらに、がんが子宮の外に広がると、多量の出血、下腹部や腰の痛み、尿や便に血が混じるなどの症状が出ることもあります。
毎年、全国で1万人程度の方が、子宮頸がんと診断され、約3000人の方が亡くなっています。5年生存率は75%程度と報告されています。AYA世代(adolescent and young adult;思春期・若年成人)といって、15歳から30歳代の若い年齢でがんに罹患した方の内訳で、子宮頸がんは上位を占めており、発症のピークは30代となっています。子宮頸がんは早期に発見すれば比較的治療しやすく予後の良いがんですが、進行すると治療が難しいため、早期発見が極めて重要になります。しかし、20~69歳の女性の子宮頸がん検診の受診率は、2019年で全国平均は43.7%と、半数以上の女性が子宮がん検診を受けていないという現状があります。

データソース:国立がん研究センター「都道府県及び生活習慣病検診等管理指導協議会(各がん部会)の活動状況調査」
出典;和文 国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」
英文 Cancer Registry and Statistics. Cancer Information Service, National Cancer Center, Japan.
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/screening/dl_screening.html

子宮がん検診受診率(20~69歳 女性)2019年

https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/screening/screening.html

ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が子宮頸がんの発生に関連しています。HPVは性交渉によって感染し、性交渉の経験がある女性の80%以上が50歳までに感染するといわれています。多くの場合、感染しても免疫によってHPVは排除されます。しかし、HPVが排除されず感染が続くと、一部に子宮頸がんの前がん病変や、子宮頸がんが発生すると考えられています。したがって、出血などの症状がなくても、性交渉の経験がある方はHPVに感染している可能性があるため、性交経験のある方は、定期的に子宮頸がん検診を受けることをお勧めします。また、子宮頸がんの予防にはHPVワクチンが有効です。詳しくはHPVワクチンのぺージをご覧ください。

検査

子宮頸部がん検診:細胞診
まず、スクリーニング検査として、子宮の出口である頸部をブラシでこすって細胞を採取して検査をする子宮頸部細胞診を行います。子宮頸がん検診とはこの検査のことをいいます。20歳以上の方は、2年に1回は子宮頸がん検診を受けることをお勧めします。検査の精度上、月経中でない時に受けることが望ましい検査です。

コルポスコピー(腟拡大鏡診)・組織診

子宮頸部細胞診検査で異常が認められた場合には、コルポスコピーと組織診という精密検査を行います。コルポスコピーとは、子宮頸部をコルポスコープという拡大鏡で観察する検査で、妊娠中の方でも必要時は行います。組織診とは、コルポスコピーで病変がありそうな部分から組織を取り、どの程度病変がすすんでいるのかを見る検査です。コルポスコピー時に同時に行われることが多いですが、妊娠中の方では、組織診後に出血が多くなることがありますので、病変の見え方によってはコルポスコピーのみで経過観察となることもあります。当院ではコルポスコピーは実施しておりません。コルポスコピーが必要な方は専門の施設へご紹介させていただきます。

子宮頸がん検診の結果とその後の流れ

子宮頸がん検診でNILMであった時は、2年に1回の定期検診を行います。20歳以上の方は、ほとんどの区でがん検診の費用の多くを公費で負担しており、一部の自己負担で受けることができます。
子宮頸部細胞診の結果、ASC-UCという判定になった場合、HPVハイリスク検査を行い、HPVハイリスク陽性の場合にはコルポスコピーや組織診が必要になります。陰性の場合には6~12か月後に細胞診検査でフォローします。
LSIL,ASC-H,HSIL.SCCなどの場合には、すぐにコルポスコピーが必要になるため、専門の施設へご紹介いたします。

早期発見、早期治療

子宮頸がんは、初期では自覚症状がほとんどない病気ですが、定期的な検診により初期の段階で発見することができます。がんになる前の段階であるCINという「子宮頸部上皮内腫瘍」の状態で発見することも可能です。CINには3つの段階があり、CIN1、CIN2、CIN3と進みます。CIN3であれば、治療を行います。CIN1、CIN2の場合には、引き続き定期的に検査を行って進行していないかをフォローしています。まずは、子宮頸がん検診で早期発見し、早期治療を行うことが大切です。定期的に検診を受けましょう。

子宮体がん検査

子宮体部に発生するがんが子宮体がんで、近年、日本の成人女性に増えているがんの一つです。子宮頸がんに比べると、比較的高齢で発生することが多く、発症のピークは50歳台となっています。自覚症状としては、不正出血が最も多く、月経では無い時期や閉経後に性器出血がある場合には特に注意が必要です。

検査

細胞診

子宮の入り口から子宮内部に細いチューブの様な器具を挿入して、子宮内膜の細胞を採取する子宮内膜細胞診を行います。

組織診

細胞診で異常があった場合には、細いスプーンのような形をした器具を使って、疑わしい部分の子宮内膜の組織を削って採取してさらに詳しい検査を行います。子宮内膜の全面を採取する場合は、痛みを伴うので麻酔をかけて行います。この検査で組織型と悪性度を調べ、子宮体がんであるかの確定診断をします。組織診が必要な方は、専門の施設へご紹介いたします。

早期発見

不正出血やおりものの変化があった時には婦人科を受診されてください。閉経後の方では、子宮がん検診時に経腟超音波検査(経腟エコー)を併用していただくと、子宮体部の状態が確認できますので、ぜひ経腟超音波検査をご検討ください。

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