帯状疱疹ワクチンについて
- 2024年1月29日
- 診療情報
帯状疱疹ってなに?
帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、水痘(みずぼうそう)と同じウイルスで起きる皮膚の疾患です。子どもの頃にかかった水痘ウイルスは、治癒後も体内に長期間潜伏しています。潜んでいたウイルスが、免疫力が低下した場合などに再活性化し、帯状疱疹を発症することがあります。このウィルスは日本人の約9割の方がもっていると推定されています。
どんなひとがなりやすい?
50代から発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が発症するといわれています。また、がんや自己免疫疾患、椎間板ヘルニア、腎不全、関節リウマチ、高血圧などの基礎疾患がある方は帯状疱疹の発症のリスクが1.8-8.4倍高くなるとの報告があります。
どんな症状がでる?
体の片側の一部にピリピリとした痛みがあらわれ、その部分に赤い発疹を生じます。(添付のイラストを)症状がでる場所としては、上半身が多いですが、顔面や目、頭部にでることもあります。皮膚の症状が治った後も、痛みが残る場合があり、3ヶ月以上痛みが続くのものは帯状疱疹後神経痛(PHN)と呼ばれます。50歳以上で発症した方の約2割がPHNになるといわれており、80歳以上の方では約3割とさらに高くなります。
また、目や耳に帯状疱疹がでてしまうと、めまいや耳鳴りといった合併症がでることもあり、重症化すると顔面神経麻痺や視力低下を起こすこともあります。
治療方法は?
抗ウィルス薬などによる治療をおこないます。早く治療を開始することで、早く治りますので、症状を自覚したら早めに医療機関を受診しましょう。
帯状疱疹はうつる?
帯状疱疹は自分の体内のウィルスが再活性化して発症するため、他の方から“帯状疱疹として”うつったり、他の人にうつしたりすることはありません。ただし、もともと水ぼうそうのウィルスであるため、まだ水ぼうそうに罹ったことがない人は、ウィルス感染で水ぼうそうを発症することがあります。
予防したい!
予防接種を受けることによって、発症や重症化の防止が期待できます。ワクチンには2種類あります。生ワクチン(ビゲン)と不活化ワクチン(シングリックス)です。生ワクチンの接種は1回で、費用も不活化ワクチンより安価ですが、免疫の持続期間は5年程度と言われています。一方、不活化ワクチンは2回の接種が必要ですが、予防効果が高く、免疫の持続期間は10年といわれています。不活化ワクチンのため、免疫が低下している方や妊婦さんでも接種できます。
各市区町村ではワクチン接種の助成事業をおこなっています。目黒区在住の方は、当院で帯状疱疹ワクチン接種の助成がうけられます。
詳しくはお住まいの市町村にお尋ねください。